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丸屋九兵衛 編・最終章完結から1年。あの人に聞いてみた「ゲーム・オブ・スローンズ」の魅力

BSスターチャンネルでは、2020年8月1日「ゲーム・オブ・スローンズの日」を記念し、本作のファンである各界の著名人5名がセレクトしたおすすめエピソードを一挙放送いたしました。本記事は、その際に実施したインタビューとなっています。

すでに一周見終わって、もっとゲーム・オブ・スローンズに詳しくなりたい!そんな方にも、きっとお楽しみ頂けます。他の方もあわせて、マガジンでもまとめてます▼

※本記事にはネタバレがございます。未見の方はお気を付けください※

ベストエピソードは“第六章 第9話「落とし子の戦い」”

「ゲーム・オブ・スローンズは“第9話にえらいことが起きる“というセオリーがあります。第一章(シーズン1)だと処刑があり、第二章(シーズン2)ではブラックウォーターベイの戦いがあり、第三章(シーズン3)ではレッド・ウェディング、第四章(シーズン4)ではキャッスルブラックの戦いがあったりと。そしてこの第六章(シーズン6)、第9話が「落とし子の戦い」なわけですよ。この話は実際には2つのエピックなバトルが入っていて、たぶんゲーム・オブ・スローンズで、2大バトルが一つのエピソードに収まっている唯一のケースなんじゃないでしょうか。

エッソスとウェスタロスで全くレベルの違う戦いが行われていることに歴史マニアとして「あ、なるほどな」とも思いましたし、ティリオンがかつて助けてもらった、ちょっとした恩義がある奴隷商人に、ちょっとした形で恩返しをする、というシーンはとても印象的だったなと思います。

ちなみにこのエピソード「落とし子の戦い」はすごかったらしいです。25分間の戦闘シーンを撮るために25日かかったと。とにかく圧巻なので、もう見るしかないと思います。

現実世界のテクノロジーの進歩・進化がファンタジー世界にも応用されている


「ゲーム・オブ・スローンズ」の魅力はファンタジーの世界にリアリズムを持ち込んだことですね。私は原作も読んでいたのでそれは分かっていたんですけど、それが映像になるとさすがに違っていました。ビックリしたのは服にボタンがないんですよ! ボタンというのはホックよりも後に発明されているため、劇中の登場人物が着ている服についているのは、ホックかリボンなんです。

それに感心したのと、ジョン、ロブ、シオンの3人が髪の毛を切られるシーンでも、洋バサミではなくて、和バサミ的な握りバサミが使われているんです。洋バサミの方が後から出てきているので。そういった現実世界のテクノロジーの進歩・進化がファンタジー世界にも応用されているんです。

好きなキャラクターは、オベリン・マーテルとピーター・”リトルフィンガー“・ベイリッシュ

「ゲーム・オブ・スローンズ」の好きなキャラクターは2人いるんですが、2位から言うと“オベリン・マーテル”。 好きなキャラクターの1位も2位もトリックスターなんですが、オベリンはルールを破り、そして境界線をガンガン飛び越えるようなタイプのトリックスターで、ドーンという国を治めるマーテル家の次男坊でありながらエッソスで傭兵をしていた人物。彼の戦い方は槍を持ちながらクルクル回ったりする武術(ウーシュー)、いわゆるカンフーなんですよね。彼はエッソスでの傭兵時代にそれを学んだのだと思います。そういう武術の知識もありながら、メイスターとしての修行も積み、毒の知識も学んだという文武両道のところ。そしていろんな女性との間に子供をつくり、娘の数は8人。なのに、美青年の事も大好きなんです。私が好きなシーンで、リトルフィンガー(ピーター・ベイリッシュ)の売春宿で働いている美青年オリヴァーにオベリンが「服を脱げ」と言って「私は高いですよ」と返されるシーンがあります。その後、オリヴァーもその気になって”Which way do you like it?”「どちらがお好きですか?」と聞くんですが、要は“攻め”ですか“受け”ですかという意味です。しかし、それに対してオベリンはオリヴァーの股間を掴んで「my way」と言い放つ。これは私もいつかやってみたい!と思っています。

そそしてもう一人。最高に好きなのは、よりダークなトリックスターであるピーター・”リトルフィンガー“・ベイリッシュ。北欧神話で言ったらロキのような、良くも悪くも全ての話のきっかけを起こしてしまうタイプのトリックスターです。ある意味「ゲーム・オブ・スローンズ」とはリトルフィンガーの物語なんですね。話の発端である先代の”王の手”ジョン・アリンの死を招いたのもリトルフィンガー。エダード・スタークを裏切ったのもリトルフィンガー。ブラン・スタークが暗殺されそうになったものリトルフィンガーの仕込み。そしてもちろん、ジョフリーが婚礼の席で死んだのもリトルフィンガーの仕込み。だから「ゲーム・オブ・スローンズ」はリトルフィンガーが主役の物語なんですよ。「三国志で主役なのは誰?」「実は曹操」というのと一緒ですね。もっとも、それを最後まで見届けて書き留めるのはサムウェルみたいですけどね。

ちなみに、オベリンの最期については、戦術として、相手との距離をとって痛めつける、というのは素晴らしかったんですよ。なので最後に距離を取らなかったのは失敗だったかな。そういう兵法的なことで言うと、リトルフィンガーはやってることとしてはとてもひどいように見えるんですが、「脳内で全てのバトルをシュミレートしておけ」や、あるいは「常に敵を混乱させろ、そしたら敵は我々が何をやろうとしているか分からない」など、言っていることがほとんど“孫子”なんですよ! あの世界で彼は戦闘に長けた人間ではないけれどとても“The Art of War”を歩んでいるのはリトルフィンガーだったんじゃないかなと思います。

自分に一番近いキャラクターはリトルフィンガー

「ゲーム・オブ・スローンズ」式の自己紹介としては、“髪型はジョン・スノウ、髭はカール・ドロゴ、知的傾向はリトルフィンガー、性的傾向はオベリン・マーテル”な丸屋九兵衛ですが、中でもジョン・スノウは一番遠いですね。似ているのは髪型だけで。カール・ドロゴに関しても、わたしがジェイソン・モモアになるっていうのは無理でしょう。性的傾向に関してはいつかオリヴァーの股間をギュッと掴んで…っていうのはやってみたいと思っています。嘘というものから広がる可能性を考えているという意味ではリトルフィンガーに近いかなと思っています。“嘘“っていうのは“語り”でもあるので。

人物相関図はネタバレに注意!どのシーズンのものかを要チェック!

「ゲーム・オブ・スローンズ」は全部面白いから見ない理由は無いと思います。が、確かに前説無いですし、ナレーション無いですし、回想シーンもほとんど無いので、見ている人を突き放している部分はありますが、でも今2020年でしょ?インターネットで調べれば人物対照表(相関図)が出てきます。ただしそれがネタバレになってしまったりするから、ちゃんと“第〇章(シーズン〇)人物対照表(相関図)”というのをちゃんと選ばなくてはいけませんね

「ゲーム・オブ・スローンズ」を長く見続ける秘訣

秘訣とはまた違うかもしれませんが、この「ゲーム・オブ・スローンズ」で注目されていろんなところで活躍をし始めた俳優たちが本当にたくさんいます。たとえば、「絶対にあの顔だから悪いこと考えてるんだろうな」と思って見ていたのに、映画『ボヘミアン・ラプソディ』ではリトルフィンガーがめちゃめちゃいいやつだったとか。あるいは、同じくリトルフィンガーとルース・ボルトンの両方が出てくるとってもレアな『キング・アーサー』という映画があったりとか。あるいはやっぱりルース・ボルトンがワンダー・ウーマンにやっつけられていたりとか、あるいはキット・ハリントンが出演している『ポンペイ』を見て「やっぱりジョン・スノウ! ここでもおんなじような役やってる!」とか。あるいは『300』を見て、「やっぱりサーセイ(レナ・ヘディ)は女王バカ一代なんだな」と思ったりとか。その役者たちに思い入れが出て、そしていろんな作品からまた「ゲーム・オブ・スローンズ」に興味が戻るという、私はそのような人生を歩んでいます。

「ゲーム・オブ・スローンズ」を最終章まで見終わった後、再び見返すときの楽しみ方やコツ

自分がカタルシスを感じたエピソード、あるいはそのシーンというのを見返すことですね。それともう一つ。このドラマを本当に好きになってしまうと、関連書籍を買ってしまうということがあります。例えば原作の方のスピンオフ本(洋書)で、通称“ティリオン・ラニスターのありがたいお言葉集”という本があります。ティリオン・ラニスターは本当に名台詞が多いキャラクターなので、その彼の台詞が“芥川龍之介の侏儒の言葉”のようにとてもありがたいアフォリズムとなって心に突き刺さります。

そしてもう一つ。こちらはテレビドラマの方のスピンオフで“ドスラク語を学ぶ本”というのがあり、私はつい買ってしまいました。これは学習用のCDと、文法書が入っています。ドスラク同士でしか使えない挨拶とか、そもそも“ドスラク”とは“馬に乗る者”という意味であるとか、そういったところまでだんだん掘っていって、あとはヴァリリアの歴史、そしてやはり原作を読み解いていくとか、そういった楽しみがどんどん出てくるのが「ゲーム・オブ・スローンズ」だと思います。

後になって起こったことを先にあるキャラクターが予言していたとか、そういったことももう2回3回と見返してみないと分からないものです。私も昨日の夜にまさに「落し子の戦い」を見返してみて、「あれ? サー・ダヴォス、ええこと言うてるやん!」と思ったんですよ。ラムジーとジョンの戦いのベースは、紀元前200年頃のカルタゴ対ローマの“カンナエの戦い”です。カルタゴ軍がローマ軍を囲むことによって相手をどんどん消耗させていく戦いだったんですが、実はサー・ダヴォスは決戦前夜に「わざと自軍の中央部の陣地を崩してラムジーが追ってくるようにすれば、それを後から取り囲める」とちゃんと言ってるんですよ。ところが我らが指揮官ジョン・スノウは……友達としてはいいけど、戦場指揮官としては最低な訳ですよ。ただ、彼は有能というよりは人望によって軍勢をまとめている人なので「ここで弟を助けないわけにはいかない」という部分もあったのでしょう。おそらくラムジーはそれを分かっていて、あの作戦を使ったんですね。それでまた、その弟がジグザグに走ればいいのに、まっすぐ走るんだこれが! そんなこんなでああなってしまい…。本来はラムジーを誘い込んでそれを囲むつもりだったのに、まんまとジョン・スノウが誘い込まれ、それをかばうためにスターク軍が来て、逆にラムジーの方に囲まれてしまう。よく観てみると、前夜のサー・ダヴォスの発言のあとにサンサ・スタークが兄ジョン・スノウに向かって「あなたはラムジーを罠にかけようとしてるけど、違う。罠を仕掛けてくるのはラムジーの方」と警告していたその通りになりましたね。

おすすめのHBOドラマは「ウエストワールド」

他に注目しているHBOドラマシリーズは「ウエストワールド」です。もとはユル・ブリンナーが機械仕掛けの壊れたガンマンの役をやった1973年の映画ですけど、それをリイマジンして大量にいろんな要素を盛り込み、時代があっち行ったりこっち行ったり。「まさかあの人までロボット!?」という驚きがあります。先が全く見通せず、テーマパークのようにとても緊張感のある、そんな面白いテレビシリーズです。あとはエド・ハリス! 要所要所で怪演を見せてくれる彼が今回もやっぱり怪演だったというのが見逃せないです。そしてテッサ・トンプソン!私はテッサ・トンプソンが大好きです。さらに、妙な縁で最近、レオナルド・ナムと知り合いになったんですよね。Steve AokiとBTSのMVに出てくる、『ワイルド・スピード』卒業生の彼です。それも含めて私は「ウエストワールド」をおすすめします。

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